ここ数年、電車やバスの優先席で色んなマークを見かけるようになりました。
有名なマークでは妊婦さんが使用する“マタニティマーク”というものや、外見ではわかりづらい障害や病気がある方の“ヘルプマーク”などがあります。
しかし、世の中にはたくさんの便利なマークがある一方で、認知度はあまり高くありません。
今日、試しにヘルプマークをバッグにつけて外出してたら子供連れのお母さんに「何あれ?頭のおかしい人が持つやつ?近寄っちゃダメよ」と言われました。もっと浸透して欲しいなと実感しながら家に帰って泣いてしまいました。
— きよら (@kiyora0717) 2018年11月7日
きちんとした知識が広まっていないために、こんなことが起こってしまうのはすごく悲しいですね…。
私自身も数年前にパニック障害を患ったことがあり、普段の生活のなかで周囲の方の助けが必要な場面があることを実感しました。
その存在やマークの意味を知ってもらうことで、誰もがもっと安心して外に出られるような環境になることを願ってやみません。
〇〇マークとよばれるものに少しでも興味をもってくださり、マークの意味をひとりでも多くの人に知ってもらえればと思いこの記事をまとめました。
contents
知ってほしい〇〇マーク
ヘルプマーク

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。
出典:東京都福祉保健局
外見ではわからない障害や病気の方が、周囲に理解や配慮をお願いするためのマークです。テレビや新聞などで最近よく取り上げられて認知度が少しずつ上がってきています。
裏面にシールを貼り、以下のようなことを詳しく書き込むこともできます。
障害や病気のこと
周囲の方へお願いしたいこと
緊急連絡先
ヘルプマークってマークだけじゃ判りにくいよな…と思って画像検索したら、タグの裏に病状などを書くところがあるんだね それなら自分にも助けることができそうかもしれない #ヘルプマーク pic.twitter.com/6HHHGtZyMi
— 白波オルカ🦐@マボサダ (@shiranami_oruka) 2018年11月8日
ヘルプマークが表示されている電車やバスも増えてきました。このマークを見かけたら、席を譲るなどのご配慮を。
まだ導入していない自治体も多いですが、これから先もっと拡がるといいですね。
マタニティマーク

妊婦さんが交通機関等を利用する際に身につけ、周囲に妊婦であることを示しやすくするものです。また、交通機関、職場、飲食店等が、呼びかけ文を添えてポスターなどとして掲示し、妊産婦さんにやさしい環境づくりを推進するものです。
出典:厚生労働省
数あるマークの中で、使ったことがある人や見かけたことがあるという人も多いと思います。
このマークは名前の通り、妊婦さんが使用するもの。見た目もとても可愛くて素敵です!
妊娠中でもやむを得ず電車やバスを使わなければならないという方も多いですよね。
お腹が大きくなれば妊娠中ということに気づいてもらえますが、妊娠初期や後期でもお腹が目立たない方も多くいらっしゃいます。
電車の席を譲る
気分が悪そうだったら声をかける
近くで喫煙をしない etc…
周りができる配慮はたくさん。妊婦さんが安心して外に出られるように、マークをつけている人がいたら少しだけ気を配ってみましょう。
耳マーク
【耳マーク】は聞こえが不自由なことを表す、国内で使用されているマークです。
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会は、#聴覚障害 への理解を促すために耳マークグッズを作成し啓発をおこなっています!https://t.co/WfgHBhJLqj … pic.twitter.com/xfpGK0tRkE
— ディーキャリア発達チャンネル@発達障害啓蒙アクション実施中! (@d_channeljp) 2018年11月4日
聴覚障害者は、障害そのものが分かりにくいために誤解をされたり、不利益なことになったり、危険にさらされたりするなど、社会生活の上で不安は数知れなくあります。
(中略)「耳が不自由です」という自己表示が必要ということで、考案されたものが耳マークです。出典:社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
聴覚障害のある方が周りにコミュニケーションの配慮などを求めるためのマークです。
聴覚障害は見た目で判断することが難しく、それが周りに伝わらないことで不便な思いをしている方も多くいらっしゃいます。
口元を見せて話す(口話)
文字で伝える(筆談)
手話が使えないからといって不安がる必要はありません。口話や筆談など誰にでも簡単にコミュニケーションをとる手段はあります。
気負わずに自分ができる範囲で手助けすることがとても大切です。
ハート・プラスマーク

「内部障害・内臓疾患」というハンディがこの国ではまだ充分に認識されていません。内臓に障害があっても、外観からは判らないため “自宅で”“電車の中で”“学校で”“職場で” “スーパーで” 「辛い、しんどい」と声に出せず我慢している人がいます。一般社会にそんな人々の存在を視覚的に示し、理解の第一歩とするため、このマークは生まれました。
出典:特定非営利活動法人ハート・プラスの会
見た目ではわからない内部障害や内臓疾患がある方のマークです。認知度はまだまだ低く、街中で見かけることもあまりありません。
電車で席に座りたい
駐車場の障害者専用スペースを使いたい
本当はツラいけれどハンディが周りに伝わらず、我慢をしている方がいるかもしれません。外見ではわからない障害がある方も暮らしやすい環境を作っていくうえで、このマークがもっと広まることがとても大切です。
建物などに表示される〇〇マーク
次に建物やお店、電車などに使われているマークの紹介していきます。
障害者のための国際シンボルマーク

障害のある方が利用しやすい建築物や公共輸送機関であることを示す、世界共通のマークです。車いすを利用する方だけでなく、障害のあるすべての方のためのマークです。
出典:東京都福祉保健局
お手洗いや駐車場などで見たことのある人がほとんどだと思います。「車いすマーク」という名前ではなく、「国際シンボルマーク」という名前なんですね。
障害がある方が利用しやすい施設などに表示されています。
盲人のための国際シンボルマーク

視覚障害者の安全やバリアフリーに考慮された建物・設備・機器などにつけられています。信号や音声案内装置、国際点字郵便物、書籍、印刷物などに使用されています。
出典:東京都福祉保健局
音が変わる信号機の押しボタンなどに表示されているマークです。
ほじょ犬マーク

身体障害者補助犬法に基づき認定された補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)を受け入れる店の入口などに貼るマークです。
出典:東京都福祉保健局
盲導犬、介助犬、聴導犬、すべて総称して「補助犬」と呼ばれます。駅やデパートなどの大勢の方が出入りする施設では補助犬の受け入れが義務。
補助犬を連れてお出かけされているかたもよく見かけようになりました。
ちなみに盲導犬は「ハーネス」、介助犬や聴導犬は「ケープ」と呼ばれる表示をつけているので、普通のペットとは見分けがつくようになっています。

番外編 「白杖SOSシグナル」

「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマークは、視覚障害者が外出の際、周囲の助力を求める必要がある場合に、白杖を頭上50cm程度に掲げることで助けを求める意思表示を行い、周りの人から手助けをしてもらうための手段
視覚障害のある方が、周囲の助けを求める際に「白杖を頭上に掲げるサイン」のことを”白杖SOSシグナル”といいます。
視覚障害者が助けを求めて白杖を掲げる「白杖SOSシグナル」がSNSを通じて拡散し続けている。シグナルを見ても「腕や白杖を急に引っ張らないで」注意点を挙げながら、理解がさらに広がることを期待している。
※これはもう一度広げないと… pic.twitter.com/E4eAerKmFy
— 無外流の狼 (@miburou3) 2015年12月24日
2、3年前にSNSで拡散されていたこのシグナル。その一方で「拡散してほしくない」という声もあるんです。
白杖SOSシグナル運動について。 これは全国の視覚障害者が納得して提唱している運動ではありません。 また、危険な状況にもかかわらず、この合図をしていないということで 「困っていないんだ」と思われてしまう状況も起きています @Yano_Akiko @honma_dekka__
— kano (@kano47) 2014年5月12日
シグナルを知ってほしいと願う人がいる一方、
”合図を出していない = 困っていない”
という誤解が生まれてしまう問題を抱えています。
【再掲】白杖シグナルを知らない、使わない白杖ユーザーは大勢います。話題になってるSOSシグナルを出していなくても、白杖ユーザーが困ってる雰囲気だったり危険な状況であれば、出来る範囲で手助けをお願いします。(その際、突然身体に触れるのは避け、声かけからお願いします)
— traingram(ram) (@Traingram123) 2015年5月14日
大切なのは合図を出している・出していないに関わらず、困っている人や危険な状況に気づいて声をかけること。
これは白杖SOSシグナルにかぎらず全てに対して共通することですね。
白杖SOSシグナルをSNSで拡散している人たちは善意でやっています。しかし、裏にこういった問題を抱えていることを私たちは知らなければなりません。
まとめ マークを知って、少しの気遣いと優しさを

まだ他にも沢山のマークがありますが、私が選んだ”とくに多くのひとに知ってもらいたいマーク”を紹介させていただきました。
電車の席をゆずる
困っている様子だったら声をかける
あたたかく見守る etc…
特別なことをしなくても、ほんの少しの優しさと気遣いを周りがもつことで、みんなが今より暮らしやすくなります。
マークは普段の生活で、また災害時などにとても役に立つもの。ひとりでも多くの方に知ってもらうことが大切です。
ただし最後にご紹介した白杖SOSシグナルが抱える問題と同じように、「マークやサインを出していなくても助けを求めている人がいるかもしれない」ということもぜひ心の片隅に入れておいてほしいと思います。
困っている人を見かけたり、危険を感じる場面に遭遇したら、ぜひ勇気を出して声をかけてみましょう。
だれもが安心して外に出ることができる社会になるといいですね(^^)/

